運命と宿命、天命とは...


京都所司代の板倉勝重 VS. 徳川家康:

「運命と宿命、天命とはどのように違いまするので?」
「おのれほどの年になっても、それがわからぬか」
「はい。是非ともその差、お訓えおき下さりまするよう」
「よいか。ここに小さな茶碗一つのせた丸盆があると思え」
「あの、小さな茶碗一つをのせました丸盆が」
「そうじゃ。その茶碗が人よ。するとこの茶碗は、盆のうちだけは、右へ行こうとし、左へ行こうとしてふちにさえぎられるところまでは自由に動けよう。この人間の自由に動けるところまでが運命じゃ。されば、運命とは、その人の意志を持って開くこともできれば築くこともできるものよ」
「そしてこの盆のふち・・・つまりぶつかって動けなくなるところ、これ以上行かせぬぞ、と立ちふさがっているこの盆のふち・・・これが宿命と申すものだ」
「すると大阪城の黄金は・・・」
「秀頼の思考思案をさえぎる宿命となった。しかしその宿命の上に、さらにもう一つ天命がある」
「は・・・」
「天命とは、こうした盆、その上の茶碗、そしてさらにその盆のふち・・・そうしたものの一切を作り出している天地の命じゃ。人間は、人間の力をもってしてはどう変更えできない天命のある事を悟ったおりに、初めて自分を活かし得る。わが天命は何であったか・・・天命はまたわが身に課された使命であるからの。これを悟らぬうちは動いても動いても無駄になる。宿命のふちの中でのあがき以外の何ものでもない」

 

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